J-クレジットマガジン vol 7(2024年11月5日)
「カーボンプライシングとは」
J-クレジットとは、「カーボンプライシング」の手法の1つで「カーボン・クレジット」に当たるものです。
カーボンプライシング(Carbon Pricing)とは、直訳すれば、二酸化炭素の排出に対する値段付けです。温室効果ガスの排出に対して経済的なコストを課す仕組みのことです。すなわち二酸化炭素を排出する活動に対して費用を上げることで、二酸化炭素の排出量を減らしていく政策です。炭素(CO2)に価格をつけ、排出者に自主的な削減行動を起こさせる経済的手法とも言えます。二酸化炭素の排出量が多い企業ほど費用負担も大きくなります。
カーボンニュートラルへの取り組みの一つとして期待されている主要なカーボンプライシングには以下の3つの方法があります。
1.炭素税
炭素税は、二酸化炭素の排出量に対して一定の税金を課す方式です。
日本では、2012年から炭素税の一種として「地球温暖化対策のための税(温対税)」が導入されています。
日本の場合、化石燃料はほとんど外国から輸入しているため輸入時に業者が税金を払っています。金額でいうと1トンあたり289円です。家計への負担は毎月100円ほどになっています。
2.排出量取引
排出量取引制度(キャップ・アンド・トレード)とは、自治体が企業ごとに排出枠(温室効果ガス排出量の限度=キャップ)を設定し、その排出枠(余剰排出量や不足排出量)を、有償または無償で事業者に取引する制度です。排出量が上限を上回る事業者は、下回る事業者と排出枠を市場で取引し、自らの実排出量に相当する排出枠の調達義務を負います。
3.クレジット取引
クレジット取引は、CO2削減の価値を証書化し、売買する仕組みです。日本では、非化石価値取引、J-クレジット制度、JCM(二国間クレジット制度)などが運用され、民間セクターでも活発に取引が行われています。これらのクレジットは、相対取引や市場取引を通じて価格が決定されるため証券化された金融商品の取引に似ています。
J-クレジットとは、上記のカーボンプライシングの中のクレジット取引の1つです。
J-クレジット制度とは、 国が温室効果ガスの排出削減量・吸収量を「クレジット」として認証する制度です。 2013年から経済産業省・環境省・農林水産省が運営しています。
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