カーボンフットプリントCFPマガジン vol.5(2024年10月30日)
「CFPの算定手順」(その1)
CFPマガジンvol.2にて、「表2 基本的なCFP算定手順」を簡単に紹介しました。ここでは、経産省・環境省の「カーボンフットプリント ガイドライン」に記載されるCFPの算定及び検証に関する取組指針である「CFPに取り組む4つのステップ」についてもう少し詳しく紹介します。
このガイドラインには、製品やサービスのCFPを算定し報告するための要件を定めたISO14067やGHGプロトコル等の国際的な基準や規定を解説したうえで、我が国の取組方針を示しています。そしてこのガイドラインでは、CFPに取り組む4つのステップを定めています。これらは、ステップ1:算定方針の検討、ステップ2:算定範囲の設定、ステップ3:CFPの算定、ステップ4:検証・報告の4ステップです。
◇ステップ1:算定方針の検討
CFPを算定する際は、まず目的や用途を明確にします。誰に向けたCFPを算定するのかを明確にして、そのうえでその用途を踏まえ、どの程度の客観性や正確性を狙ったCFP算定するか判断します(図1)。
図1. ステップ1:算定方針の検討 (出典:経産省・環境省「カーボンフットプリントガイドライン」)
そして、その目的に応じた客観性や正確性の程度を判断することが重要です。そこで求められる客観性や正確性に応じて、CFPの算定で満たすべき要件を2段階で整理しています(図2)。特に、他社製品と比較されることが想定される場合は、参照するルールを明確にする必要があります。
図2.CFP算定の2段階の要件 (出典:経産省・環境省「カーボンフットプリントガイドライン」)
◇ステップ2:算定範囲の設定
CFPの算定範囲を設定します。算定単位は基本的に「機能単位」で定義されます。製品システムの定量化された性能または効用を「製品機能」と定め、その製品機能当たり(機能単位)の温室効果ガスGHG排出量を算出していきます。算定範囲を設定した後、対象とするライフサイクルのプロセスやデータの収集期間、除外するプロセスなどを設定します。対象とするライフサイクルは、最終製品であれば原材料調達から廃棄・リサイクルまで(Cradle to Grave)、中間製品であれば原材料調達から製造まで(Cradleto Gate)が基本です(図3)。
図3. ステップ2:算定範囲の設定 (出典:経産省・環境省「カーボンフットプリントガイドライン」)
今回の説明はここまでとします。
次回のCFPマガジン vol.6 「CFPの算定手順」(その2)にて、
続きのステップ3、4を紹介します。