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2026/02/27

みかん胡椒から地域を元気に(地域創生起業支援金を活用した、伊豆・蓮台寺での挑戦)

創業
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みかん胡椒から地域を元気に(地域創生起業支援金を活用した、伊豆・蓮台寺での挑戦)

企業名 株式会社NEED U <https://needu.co.jp/>
所在地 下田市吉佐美2025-6
業種 喫茶店
創業 2020年
従業員数 5人
支援分野 地域創生起業支援金

 静岡県下田市にある蓮台寺(れんだいじ)駅。
 伊豆半島の東側を走る私鉄、伊豆急行線の終点「伊豆急下田駅」の1つ手前の駅です。
 昔は首都圏からの特急「踊り子号」も停車していましたが、今は伊豆急線の普通電車と、下田のまちと西伊豆の松崎・土肥、天城峠を通って中伊豆は修善寺を結ぶバスがこの駅に立ち寄る、地元の方の「日常使い」が主な役割の駅になります。

蓮台寺駅

 この駅にコーヒースタンド「NEED U」がオープンしたのは2022年の9月。駅事務室の一部を改装し、そのスペースでコーヒースタンドと、オーガニック食品の販売がはじまりました。
 小さな駅前に地域の魅力を伝える一歩として誕生したのが、地域の柑橘を使った「みかん胡椒」です。
四季を通して多くの方が訪れる伊豆半島で、地元の資源を活かしながら新しい価値を生み出す挑戦がはじまっています。

地域課題に向き合う企業

代表の板橋社長は、この蓮台寺駅のある下田市河内地区のご出身。
祖父から譲り受けた甘夏の木を活かしたいと言う想いと、地元のみかんを無駄なく使いたいと思っていました。ですが、生のみかんは余りがち。
「何から手を付けていいか分からなかった」と悩み。自社だけでは加工のアイデアが浮かばず、耕作放棄地が増える地域の課題も気になっていました。Uターンして地元に戻り、ビジネスとしてどう形にするか、迷っていました。
地元で起業を模索中にWebで静岡県と産業財団による「地域創生起業支援金」を知り、相談を申し込みました。
「ハードルが低くて、担当者が親身に話を聞いてくれ、相談に乗ってくれたのですごく勉強になった」
と話をしてくれました。また、Uターン組や移住者も対象になっていることで、若い感性で地域課題を解決する起業を後押ししてくれる制度だと感じ、板橋さんはすぐに活用を決めました。
こうして、余剰になりがちな柑橘を加工品として活用し、地域に人の流れを生み出す事業としてスタートしたのが、商品開発と、その商品をリアルにお客様に提供するコーヒースタンドです。
 事業の開始当初はこの蓮台寺駅構内ではなく、夏になると多くの観光客が訪れる吉佐美。小さなお店ですが、美味しいコーヒーと伊豆の産物を使ったオーガニック食品の販売を2020年からはじめました。(今でも夏には吉佐美の店舗も営業しています)

 特に効果的だったのは、伴走支援。「地域創生起業支援金の専門家が定期的に来て、Uターン後のビジネスを一緒に修正してくれた。サステイナブルな加工技術を学べて、みかんを丸ごと活用できるようになった」と板橋さん。
この制度のおかげで、若いアイデアを形にできました。

商品づくりから、「地域の居場所」へ

ですが、その取組は決して平坦なものではありませんでした。開店はコロナ禍のまっただ中。伊豆への観光客が大きく減ったのは今でも記憶に新しいところです。
 板橋さんはここで重要なことに気づきました。

「加工品事業と、カフェ・物販事業の二本立て」
 板橋さんはこの考えを貫き、「みかん胡椒」の製造と、リアル店舗の運営を続けています。

取り組みの中心は、甘夏などを活用した「みかん胡椒」。
首都圏で開催されるイベントや百貨店での販売を通じて認知を広げたほか、蓮台寺駅構内に出店をしたことにより、伊豆急行やJR東日本と連携し、首都圏から伊豆へ向かう特急「踊り子」号の始発駅である大宮駅での物販イベントにも参加するなど、ブランドとしての手応えも見えてきました。

一方で、この事業の価値は商品販売だけにとどまりません。
駅前に設けたカフェ兼物産拠点は、地域住民や来訪者が自然に立ち寄る場所となり、日常の風景の一部として根づいています。
なかでも象徴的なのが、朝早い電車で登校する学生を見守る日々の営みです。朝早く店を開け、「行ってらっしゃい」と声をかける。その積み重ねが、地域に受け入れられる事業としての信頼やつながりを育んでいます。
寒い朝はここでコーヒーを買って、ともだちとおしゃべりしながら電車を待つ。そんな風景がNEED Uさんを起点に始まっているのかもしれません。

「地域課題の解決」とは、特別な出来事だけでなく、こうした日常の関係性の中で形づくられるものなのかもしれません。

成果

地域創生起業支援金の活用により、
• 商品開発・販路開拓の推進がはじまり、その取組をきっかけとして地元の他事業者とのつながり
• 駅前拠点の整備と運営開始
• 地域交流を生む場づくり
が実現しました。
結果として、商品・拠点・人のつながりが循環する、持続的な地域モデルへと歩みを進めています。

次の挑戦

現在は、加工品事業とカフェ運営を二本柱に、都市部展開や販路拡大、さらには輸出も視野に入れた新たな展開を見据えています。

「伊豆の店に行ってみようかな、みたいな循環を作って、若い人たちがUターンや移住しやすくなる地域にしたい。」
商品をきっかけに人が地域を訪れ、地域での体験が次の来訪を生む――そんな好循環をみ出したいと、板橋さんは考えています。

終わりに

■地域での起業を考える皆さんへ
地域の課題に向き合い、自分の事業で社会に価値を生み出したい。
そんな想いを持つ方にとって、地域創生起業支援金は大きな支えとなります。
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■取材を終えて
 さすがに静岡のまちにあるコーヒースタンドのようではありませんが、それでもお客さんが途切れることなく訪れ、「◯◯さんのところにお子さんできたんだよ」と言ったような「地元のお客さん」の交流の場や、おそらくは観光客でしょうか、「つぎの電車は◯◯分ですよ」と言った案内もされていました。「地域創生起業支援金」で事業を大きくすること、それは「地域に欠かせない事業に成長すること」なのかもしれませんね。

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