2026/04/10
地方初スタートアップのサステナブルな挑戦
株式会社white from greenは、サイズや傷などの理由により流通されない規格外グリーンバナナを原料に、腸内環境に寄与する発酵性食物繊維「バナナ由来レジスタントスターチ(消化されにくく、善玉菌のエサとなるでんぷん)」を独自技術で抽出し、食品として展開するフードテックスタートアップ企業。
フィリピンで栽培されたグリーンバナナを原料に、富士山麓の自社工場において、富士山直系の湧き水を活用しながら製造を行っている。
失敗からの再挑戦が生んだ事業モデル
本事業の原点は、四半世紀にわたり「バナナ由来レジスタントスターチ」の研究を根気強く続けていた同郷の研究者との出会いにある。規格外バナナの有効活用というテーマに可能性を見出し、事業化への挑戦が始まった。
しかし、初期の取り組みは量産化の壁に直面し、一度は事業の継続を断念することとなった。
それでも挑戦は終わらせなかった。初期創業時の反省点をもとに、量産化技術の方向性、開発する商品の方向性など、全てをゼロから見直し、資金調達や生産体制の整備を進め、事業としての成立性を確立している。
こうした経緯を経て、現在の事業モデルが構築された。
「おいしさ・機能性・サステナブル」を同時に実現
同社が展開しているのは、バナナ由来の機能性素材を活用した食品事業。
主力商品である「ハイブリッド腸ファイバープロテイン」は、健康意識の高い女性を中心に支持を集め、継続的な利用につながっている。
特筆すべきは、「おいしさ」「機能性」「サステナブル」という、本来は兼ね備えることが難しい要素を一体で実現している点にある。無味無臭で応用性の高い素材特性を活かし、日常の食生活に無理なく取り入れられる点が特徴。
そのほかにも、同素材の特性を活かした各種食品展開を進めており、用途の広がりを見せている。
振り返って
支援を振り返って、代表からは次のようなお話をいただいた。
創業初期に新商品開発に取り組む中で、ウェルネス・フーズ産業支援センターの補助制度の活用が資金面のリスク低減につながるとともに、新たなチャレンジへの後押しとなった。
さらに、機能性表示食品の取得に向けては同支援センターの事業化コーディネーターのアドバイスや、製造過程で生じる副産物の利活用に関する事業者とのマッチング支援など、具体的な課題に応じた伴走支援が事業推進の力となった。
資金面にとどまらず、「知見」や「ネットワーク」を組み合わせた支援が、事業の推進において大きな支えとなった。
地方から世界へ──次の成長ステージへ
現在、同社は事業拡大に向けて、商品ラインアップの拡充や供給体制の強化を進めています。あわせて、新たな収益の柱の確立にも取り組んでいる。
また、海外展開を見据え、すでにアジア市場を中心に動き始めており、今後のさらなる広がりが期待される。
将来的には、原料調達地での拡張生産も視野に入れるなど、サプライチェーン全体を含めた持続可能なモデルの構築を目指している。
地方発でありながらグローバル市場を見据えたこの挑戦は、サステナブル時代における新しいスタートアップ像を体現しているといえる。
終わりに
今回の取材で特に印象に残ったのは、健康への寄与や未利用資源の活用といった社会性と事業性を両立している点になる。
「おいしさ」「機能性」「サステナブル」を兼ね備えており、生産者・消費者・同社のいずれにとっても価値のある事業であることがうかがえる。
地方発のスタートアップが社会に新たな価値をもたらしていくことが期待され、今後の展開が楽しみなスタートアップ企業である。