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2026/04/10

脱炭素の取組みによる中小企業のブランディング

脱炭素
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脱炭素の取組みによる中小企業のブランディング

企業名 有限会社岩倉溶接工業所  <https://iwakura-weld.jp/
所在地 島田市東町2093-1
業種 はん用機械器具製造業
創業 1973年
従業員数 28人
支援分野 脱炭素化(省エネ診断、GX経営支援)、展示会出展

 

経営課題と支援機関に相談したキッカケ

― 現状把握の難しさと「その場しのぎ」の対応
2007年からエコアクション21に取り組んでいたが、環境負荷データの集計が主で自社で詳細に電力使用量を測定・分析するには至っていなかった 。例えば、デマンド監視のアラームが鳴った際に空調を止めるなどの「その場しのぎ」の対応に留まり、電力増加の根本原因まで把握できていないことが課題であった。
また、脱炭素を単なるコスト削減と捉えており、経営戦略としての視点が不足していた。

―取引先からの要請と市のプログラムが支援活用のきっかけに
大手取引先からサプライチェーン全体での環境対応を求められたことが大きな転機となった。島田市が主導するエコアクション21のプログラムを通じて認証を取得したのち、さらに専門的な知見を活用して脱炭素化を加速させるため、静岡県産業振興財団(企業脱炭素化支援センター)の支援を受けることとなった。

支援内容

―専門家が現場で実測し「数字」で電力を可視化する省エネ診断

産業財団が実施する脱炭素関連専門家の育成事業(専門家向け現場実習研修)の現場として、岩倉溶接工業所が選定された。
この事業は専門家の育成だけを目的とせず、経験豊富な講師が専門家を引導し、直接現場を訪問、理論値だけではない実態に即した診断を実施するものである。
具体的には、待機電力等を実測してエネルギー消費が「数字」で明確に示されたほか、設備投資に頼らずとも即実行可能な運用面の改善策が提案された。
また、中小企業版SBT認証取得に向けた高度な目標設定の情報提供も行われた。

成果

―経営戦略としての「脱炭素」と企業のブランディング意識への変革

1.省エネに協力してもらう際の説得材料に
精神論に近い「省エネの呼びかけ」から脱却し、測定データという「客観的な裏付け」を従業員に提示することで、納得感を持って動ける土壌が整いました。

2.脱炭素化への取組は企業ブランディングに繋がる
脱炭素への取組を数値で裏付けることは、今やリクルートや新規取引における必須要件です。環境への配慮をエビデンス(証拠)化することで、企業の社会的信頼を高め、「選ばれる企業」としてのブランディングを強固にします。

3.製品毎の消費電力を把握することによる効果
製品ごとの消費電力を把握することは、原価管理の精度を高めます。これにより、エネルギー価格の高騰時においても、憶測ではない「論理的な根拠」に基づいた適正な価格交渉が可能となり、収益性の守り(防御)と攻めの両立を実現します。

振り返って

―「現場での実測に基づいたアドバイスが大きな意味を持った」
代表取締役の岩倉義典氏は、「これまではデータを集計するだけでしたが、専門家の診断で電力使用量を数字で見せてもらったことは大きな意味がありました 。座学だけの知識詰め込みではなく、現場での実測に基づいたアドバイスをいただけたことが大変勉強になりました」と振り返った。

今後の展望

―全員参加での継続的な改善と高度な認証取得への展望
今後は高効率空調への更新や社有車のハイブリッド化を計画的に進める予定である。また、中小企業版SBT認証の取得も視野に入れ、産業財団の支援を受けながら全従業員を巻き込み、ムダをなくして利益を従業員に還元する「全員参加の環境経営」を推進していく。

終わりに

岩倉社長のリーダーシップのもと、脱炭素を「負担」ではなく「成長のチャンス」と捉え直された点が印象的です 。エネルギーの可視化による現場の納得感作りは、多くの企業の参考になります 。当産業財団は、企業の皆様の次の一歩を支援してまいります。
今回の事例は、受入企業の脱炭素化への意識改革を促すことになっただけでなく、脱炭素関連専門家が少ないという課題の解決にも寄与しており、静岡県の脱炭素化が一歩前進する優良事例となりました。

 

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