2026/04/10
富士宮の手作りチーズ工房
| 企業名 |
株式会社七富乳業(店舗名:七富チーズ工房) |
| 所在地 |
富士宮市下条487-1 |
| 業種 |
|
| 創業 |
2020年 |
| 従業員数 |
3人 |
| 支援分野 |
令和7年度 理事長表彰、地域創生企業支援金 |
富士宮市でチーズの製造・販売を行う株式会社七富乳業。
代表取締役の髙木氏は北海道での修行経験をもとに、地域の酪農資源を活かした商品づくりを行っている。現在はチーズやソフトクリームの製造・販売に加え、県内飲食店への卸も手掛けている。
コロナ禍での創業、資金調達と販路に苦戦
代表は北海道のチーズ工房で経験を積んだ後、富士宮の酪農風景に魅力を感じ移住し、創業した。
創業にあたっては、移住先である富士宮市に相談を行い、地域との関わりを持ちながら事業の立ち上げを進めた。
しかしその後、コロナ禍により社会情勢が大きく変化しました。金融機関からの新規融資は受けられなくなり、資金調達は難航しました。やむを得ず少人数私募債を発行し、知人や関係者の支えによって何とか創業を継続した。
また、飲食店の営業縮小により販路開拓も思うように進まず、生産・営業・事務を一人で担う日々が続いた。
支援機関を利用したきっかけ
移住を相談していた富士宮市からの紹介により、静岡県産業振興財団の「地域創生起業支援金」を活用することとなった。
創業期における設備投資として約200万円の補助を受け、製造体制の基盤整備を進めた。
振り返って
支援について代表は次のように話している。
「創業時の200万円は、売上に換算すると700万~800万円分くらいのインパクトがあった。初年度から黒字にできたことで、無理な経営をせずに済んだ。」
また、補助金の採択実績が信用力の裏付けとなり、少人数私募債による資金調達の後押しにもつながった。
地域に広がる販路と事業の成長
補助金を活用した設備投資と、その後の認知拡大により、事業は着実に成長している。
テレビでの継続的な紹介や行政との連携もあり、一般顧客だけでなく飲食店からの問い合わせも増加した。現在では県内のイタリアンなどで同社のチーズが使用されるなど、販路は広がりを見せている。
さらに、富士宮市のふるさと納税の返礼品としても採用されており、全国の寄附者に向けた販路も広がっている。
製造と販売の体制も整いつつあり、アルバイトの雇用も進むなど、安定的に事業を運営できる体制が構築されてきた。
今後の展望
今後は製造と販売の在り方を見直しながら、ピザなどのランチメニューを充実させ、チーズをより身近に楽しんでいただくことなどを構想している。
その根底にあるのは、「自分がおいしいと思えるチーズやソフトクリームを、お客様に届けたい」という想い。
生産者と消費者を“おいしさ”でつなぐ橋渡しのような存在でありたい―—。
この想いを軸に、富士宮の地で事業を続けながら、その価値を少しずつ広げていく。
取材を終えて
事業の軸には「自分がおいしいと思えるものを届けたい」という考えが一貫している点が印象的でだった。また、地域の酪農資源を活かしながら、地元に根ざした商品づくりを行っている点に、この事業の特徴があると感じた。